カビによりできた黄色いシミをシミ抜きしていきます。
今回も、基本の手順に沿って加工していきます。
まず溶剤を使用し、主に油性のシミと不溶性のシミをとっていきます。
この時点でほとんど見た目は変わりませんが、この先の加工を滞りなく進める上で手順を1つずつしっかり処理していくのが大切になります。
次に水を用いて水で取れやすい部分を染み抜きをしていきます。
この工程でカビのシミの主たる部分の処理します。
この時点で残った黄色、茶色のシミは色素のシミになります。
ここから色素のシミ抜きをしていきます。
シミの部分以外に影響を及ぼすことがないよう、なるべく小さく染み抜き剤を塗布していきます
1度できれいになるということはありません。
何度か繰り返し処理するうちに少しずつ薄く見えにくくしていきます。
くり返すうちに、着用時に見えなくなる程度まで薄くしていきます。
シミのあった部分と周りの何もしていない部分の色の違いを注意深く見て、染料を用いて染色補正の技術で色の違いを修正していきます。
水を使った部分は水がかかっていない部分と比べて見え方が違ってきますので、アイロン、蒸気などを用いて周りとの違いをなくしていきます。
最後により広範囲から確認し、シミ抜き箇所に違和感がないか少し離れて見ても違和感無いか確認して、染色補正を繰り返し、できる限りきれいに仕上げます。
1つのシミを処理するだけでも、いろいろな技術が必要になります。
お客様からの質問できものクリーニング(生洗い、丸洗い)だけでシミは落ちないのでしょうか?と聞かれることがありますが、クリーニングのみで取れるシミは取れやすい1部のシミに限られます。
シミがたくさんある場合のシミ抜きはクリーニング(生洗い、丸洗い)とシミ抜きとセットにして1つずつ落としていくことが作業の効率も良く、出来上がりもきれいになるのでお勧めしております。